旧うみもぐら1号

 

 うみもぐら1号”それは私のお遊び用バイクにつけるニックネームであったが,結婚を機にバイクを1台にまとめることとなり,高額で取引されるCBXは結婚資金のためにドナドナされていった・・・。
 しかし,本当にいいバイクだった。音も乗り味も素晴らしく,Z2に続いてCBXという歴史に残る名車を所有することができた自分は本当に幸せ者だったと思う。どちらも古いが程度最高の車両で,ロングツーリングからサーキットまでと大活躍してくれた。今後は現代の名車であるハヤブサ1台に絞り乗り続けることとなるが,いつの日かまたこの手に・・・。

1979年式CBX(US仕様)

 

  【ウンチク】

 ホンダはCB750でバイクの4気筒化に先鞭をつけ,大きな成功を収めたが,72年のカワサキZ1,76年のスズキGS750の登場により,次第に劣勢となっていった。そこで,74年に水平対抗4気筒のGL1000を対Z1の刺客として送り込むが,米国ではツアラーとして認知され,直接の対抗馬となることは出来なかった。
 1978年,ついにホンダはノルマンディー作戦に例えられた一大挽回作戦を欧州から開始,その旗艦をつとめたのが並列6気筒DOHC24バルブという空前絶後のエンジンをもつCBXであった。伝説のRCレーサーを彷彿とさせるエンジン&シャシ構造であり,最高出力103馬力の強心臓は,最高速度225km/hを誇り,まさに新たな世界最速マシンの誕生であった・・・。

マフラー完成記念!!関西6気筒ミーティング HOCミーティングにもなぜかCBXで参加
古いバイクなので,まめに磨いていました。 タンクかなりでかいです。でも絶妙な曲線で美しい♪

  【CBXを買った理由】

  1. 直6のサウンドをどうしても聞いてみたかったから♪
  2. 前うみもぐら1号が元のオーナーのもとへドナドナしていったから・・・      

  【インプレ】

エンジン編

  1. でかい!!っていうか幅が広い。タンクから完全に1気筒はみ出している。
     
  2. ウルトラスムースな回転フィール。しかも非常に軽やか。その感触は4気筒とは明らかに異なり,「ヒュイーン」というエンジンノイズを伴いながらモーターのように回る。レスポンス最高。最新のスーパーツポーツ並といっても過言ではない。
  3. とてもパワフル!!3千回転以降は曲線が立ち上がるのが分かるくらい鋭い加速へ移行し,6千を超えたあたりからひときわ甲高いサウンドを伴いつつ一気にレッド(9,500rpm)まで吹けきる。フル加速時にはシート上でケツがずれるくらい!!
  4. マフラーはKファクトリーのチタン6−2−1を経て,テックサーフでワンオフしたステンレス6−2−1変えてあり,そのエキゾーストノートはアイドリングでは「ブワー」と乾いた軽めの連続音,4千も回せばフゥオォォォーーという直4より滑らかな連続音となり,8千以降はスーパーカーチックなある種F1にも似たカァァーーーーーッという独特な高音を奏でる。マジで鳥肌ものサウンド。
  5. 全域にわたりにフラットトルクであり,回せば回しただけパワーがでてくる感じである。

    ○車体

  1. その巨体からは想像できないほど,ハンドリングは低速から高速まで非常に軽い。
  2. ただし,高速コーナーでは車体がよれる感じがし,剛性の低さが露呈する。
  3. ブレーキは握力が必要だが,タイトコーナーの連続するワィンディングを攻めてもOKな容量はある。
  4. ただし,車体の剛性不足を理解し,それに見合った乗り方をすればハイペースな走りにも充分耐えうるものである。
  5. Kファクトリーのクワトロ・チタン(6−2−1)は,バンクさせると集合部がステップより先に接地してしまうという使えないマフラーだった。また,2−1の部分がだいぶ不等長で,音割れが激しかったために,全てを満足させるマフラーを作るべく,大阪は堺のテックサーフに車両を持ち込み,ワンオフした。その結果,バンク角をしっかり確保することができた。

  【カスタム&修理箇所】

○カスタム箇所

マフラー交換(テックサーフ製ワンオフ6−2−1ステンレスマフラー)

  1.  Kファクトリーのマフラーはバンク角が全然足りないという根本的問題をかかえ,さらに音もイマイチだったので,ついに禁断の果実ワンオフへと暴走したうみもぐらだった・・・ワンオフだけに,こちらの要望を全て盛り込むことが可能となった。
  2.  ワンオフなので,手曲げ。美しすぎる曲線に,美しい焼色・・・うっとりする。材質をステンレスにしたのは,様々なマフラーを試した結果,音質を追求すると,チタンは駄目という結論に至ったからである。
     チタンは軽いのと虹色の焼色,さびないという長所があるが,音は
    シャーッという震えのような雑音が混じる。それに一般的に高音が出ると言われているが,私に言わせると,出ない。
     澄み切った高音を追求すると,やはりステンレスになるのである。ステンレスは硬くて微振動音も発生せず,甲高いサウンドを実現できるのだ。F1のエキパイ(エキマニ)のインコネルと比重を比較したが,やはりインコネルはチタンではなくステンレスに近い。F1サウンドを求める私には,素材としてはステンレスしか考えられなかった。
     チタンとステンレスとで10万円もの差があったのは・・・あまり影響なし。逆にステンが不当に安いと思うくらい。
  3.  エキパイは音を追求すると6−1がベストなのだが,バンク角を考えると無理・・・そこで,オール等長化&限りなく2−1部分を短くすることで,クリアかつ高音が出るようにした。ちなみに,バンク角にはこだわったので,一度作ったエキパイにダメ出しして(パソコンで画像をやりとり→テックサーフさんのこだわりはすごいです),作り直してもらった。その結果,音・性能・バンク角・整備性(オイル交換&エレメント交換&センスタOK)の全てを満足させる素晴らしい出来となった。
  4.  サイレンサーはチタン。長さ490mm径110mm,インナーパイプ径43mmの仕様。車検対応を狙っての選択。音量はストレート排気としては静かな方で,最初はJMCA並。ただし,ウールの耐久性が・・・。しだいに爆音化していきました。
  5.  テックサーフにてパワーチェックを行い,Kファクトリーと比較して4馬ほどUPの後輪で90馬力を記録。
  6. 肝心の音は,まさに求めていたものであった。6気筒の集合サウンドは本当に鳥肌モノのソプラノである。4気筒がどんなにがんばっても,このクリアで突き抜けるような高音は出ない。

 

大阪のテックサーフです 素晴らしい技術力!! やはり,手曲げは美しいです。
バンク角確保にこだわりました チタンサイレンサーです

 

 例によってサーキット用に超爆音サイレンサーも用意。
 今回はKEN’Zのマフラー製作をしているプログレッシブという工房のサイレンサーである。テックサーフのワンオフマフラーはセンターパイプが60.5oとKファクトリーの54oより太く,motoGPタイプサイレンサーも差込口径・インナーパンチングパイプ径・エンドピース径の共に60.5oというものです。ちなみにサイレンサーアウターシェルの外径は89.1o,長さは310oと極小サイズです。

コーラの350ml缶と比べると大きさが分かります。 思いっきりストレート構造です。
インナーパンチングの大きさを350ml缶と比べてみます。

 あからさまにヤバイです。レースの車検も落ちること必至
 でしょう(^-^; サーキット走行会オンリーという贅沢な一品。

差込口です。溶接のウロコがキレイです。 これだけの品質で18,000円(新品)は安いでしょう♪

 

エンジンガード(テックサーフ製)
 CBXの必須アイテムでは?以前はリモーション製のものをつけており,実際に転倒させたが,しっかりガードしてくれた。しかし値段は4万9千円・・・。そこでテックサーフさんにガード製作を提案したところ,私のマシンを使って,あなろぐさんの本物ガードをサンプルに純正後期型と同形状のものを製品化することとなり,私はマシン提供ということでサービスしてもらった。ちなみに,サイドスタンドの延長&補強加工もただでしていただきました。テックサーフさん最高です♪

ヘッドライトブースター(プラスアルファ製)
 ノーマルのヘッドライトは暗いので,旧車乗りの間で評価の高いこれを装着。たしかに効く。値段は9千円くらい?

アーシング(バイク屋さんオリジナル)
 バイク屋さんの勧めもあり,ACGの修理と併せて,うわさのアーシングを実施。なんと発電量が1VもUP!!旧車にはマジでオススメかも。値段は3千円くらい。

リアショック(オーストラリア・プロベン社製 ikon 7610−1413)
 かつて隆盛を誇ったオランダはKONI社のリアショックだが,すでに生産中止。ところがまだ新品が手に入るのだ。それはオーストラリア製の『ikon』と呼ばれるショック。KONI社のバイク用サスペンションの製造権と製造ラインを買い取り,オーストラリアに移したとのこと。KONIという名称は使えないが(KONIが4輪用はまだ作っているため),それ以外はかつてのコニサスのマンマ。クロームメッキのシリンダーに黒いコイルスプリングと,ノーマルにバッチリ合うのがいい。実際に使った感触は必要十分な性能という感想。抜けたノーマルとは雲泥の差。ノーマルがダメになった方にはマジでお勧め。ちなみに値段は定価が40,950円(輸入代理店:モーターステージ)。ただし,私はヤフオクで格安ゲット。

 

箱の外観はこんな感じです。 箱の内側の注意書き(英語)。
で,これがその『ikon』の外観です。

 クロームメッキのシリンダーに黒スプリング,しかも正立式
 シンプルでいいですよね♪

調整機能もシンプルで,減衰圧が4段(KONIと同じ)に プリロードが3段(カム式・KONIと同じ)です。
 

 付属のプリロード調整用フックレンチにKONIの刻印があ
るのはヒミツです(^-^;

 

○修理箇所

  1. ACG:納車後スグ長期入院。だってゼンゼン充電しないんだもんね。
  2. クラッチ:高負荷時に滑り出すので・・・。ゼロヨン挑戦がいかんかったか?

 

 

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